ミネラルウォーターはすべて安全なの?
私たちは遠い昔から、湧き出した水やくみ上げた地下水を飲んでいました。地下水は雨水が地中でろ過されてキレイな水になったものです。ところが近代社会へ入ってから、汚染されて飲めない地下水が増えています。欧米はもとより、日本でも1960年代から深刻になっていたと考えられています。
その原因の一つが、土壌にまかれた化学肥料などに含まれる窒素です。月日を経て分解されてできる「硝酸態窒素」という成分が地下水に溶け込み、その水を飲むことで人体へ悪影響を及ぼしてしまいます。乳幼児や胃液の分泌の少ない人が飲むと、貧血症などの健康障害を生じます。特に水分摂取量が多い赤ちゃんに粉ミルクを溶く飲料水を煮沸しますが、硝酸態窒素は消えて無くなるどころか皮肉にも濃縮されてしまいます。以前欧米では数多く報告された、ブルーベビー病と呼ばれる症状を引き起こす恐れがあるほどです。また成人でも、胃の中で発がん性物質が生じやすくなるのです。
このような状況にもかかわらず、土壌に含まれる硝酸態窒素は地下水や河川に流れ込み、市販されているミネラルウォーターの中にも含まれていることがあります。
■厚生労働省の「水質基準に関する省令」
厚生労働省では、水道法の規定に基づき硝酸態窒素および亜硝酸態窒素については、以下が基準値となっています。
亜硝酸態窒素
0.04mg/ℓ以下であること
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素
10mg/ℓ以下であること
※亜硝酸態窒素とは硝酸態窒素が化学反応をおこすことで亜硝酸態窒素に変わります。 ※亜硝酸態窒素については、極めて低い濃度でも影響があることがわかってきたことから、幼児にメトヘモグロビン血症(ブルーベビー病)を発症させることがないように定められています。
硝酸態窒素や亜硝酸態窒素の含有量が日本の基準である10mg/ℓを大きく下回る0~0.02mg/ℓ(基準値の500分の1)を誇り、世界に名だたるクリーンな水として数値が証明しています。
2007年に国内外のミネラルウォーターから「硝酸態窒素」が検出されたという気がかりなニュースが報道されました。
http://tabemono.info/report/report_7_216_2.html